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2024.03.26 マタニティ歯科 予防歯科
妊婦さんに起こるお口の中のトラブルとは
妊娠すると、食の好みや食べ方などが変化したり、ホルモンバランスの関係やつわりなどの影響でお口の中のトラブルが起きやすいと言われています。
《妊娠による口腔内のトラブルと変化》
①虫歯と歯周病
妊娠すると嘔吐を伴う”つわり”によって口腔清掃の質が低下します。そして嘔吐をした際には、胃酸が逆流して口の中に入ると胃酸が歯の表面を溶かします。これは虫歯の原因となります。
また、妊娠中は唾液の分泌量や質が変わることもあります。唾液には口腔内を洗浄したり、酸を中和したりと虫歯や歯周病を防ぐ働きがありますが、唾液量の減少や、質が変わるとそのリスクが高まるのです。
そして女性ホルモンの増加で、以下も増殖します。
🔶プレボテラ菌➡歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢(プラーク)から酸を作り出す。
それにより炎症がおきやすくなり、歯周病の進行リスクが高まる。
🔶プロゲステロン➡歯ぐきの血管に作用して炎症反応を拡大させる。
歯ぐきの周りに歯垢(プラーク)がついた状態が続くと歯ぐきが腫れやすくなる。
さらに妊娠中は、食べ物の好みが変化したり、間食をしたくなることもあります。それにより、歯垢の増加がおき口腔内が酸性環境に傾き、歯は弱り、虫歯が進行しやすくなります。
そして妊娠中の歯周病は、母胎だけでなく胎児にも影響を与えることがあります。歯周病菌やその毒素が血液に入って胎盤に達すると、早産や低体重児のリスクが高まります。歯周病にかかっている人は普通のお産をした人に比べてなんと7倍も早産や低体重児のリスクがあるそうです。
②妊娠性エプーリス
妊娠性のエプーリスとは女性ホルモンによって、赤い腫れや痛み、出血を伴う歯ぐきにできる良性の腫瘍です。妊娠初期から中期にかけて多く発症し、出産後に自然消失する可能性が多いです。妊娠性エプーリスは特別な治療は必要ありませんが、できた部分は歯ブラシが当てづらく、汚れが溜まりやすくなって虫歯や歯周病を発症する恐れがあります。
③口内炎
口内炎の原因は様々ですが、妊娠中は免疫の低下やストレスなどにより、口内炎ができると考えられています。免疫力が低下すると、口腔内に常在する細菌やウイルスに対抗できなくなり、粘膜にダメージを与えて口内炎を引き起こします。
④妊娠性の歯痛
ホルモンバランスの変化や血液量の増加などによって、虫歯ではない健康な歯が痛む症状です。特に妊娠初期から中期にかけて起こりやすく、強い痛みがあります。ですがこの痛みは一時的なもので、通常は妊娠5〜6ヵ月ごろに自然と治ってきます。
《トラブルへの対策》
🔵つわりの時の歯磨き対策
・匂いや刺激の少ない歯磨き粉に変えてみる
・水のみで磨く
・歯ブラシヘッドを小さいものにする
・歯間ブラシやフロスを使う
・顔を下に向けて喉に唾液が溜まらないようにする
・無理せず体調の良い時間に歯磨きをする
・うがいの回数を増やす
・デンタルリンスを使用する
・歯に良いキシリトール配合のガムや歯磨きタブレットを利用する(唾液の分泌量が増えます👍)
🔵食生活の改善
・栄養をバランスよくとり、糖分や酸味の強い食べ物や飲み物は控えめにしましょう。(虫歯の原因となるため)
・お腹が大きくなると小分けに食事をされる方もいます。その場合は都度、口内をゆすぎましょう。
・妊娠中には限らず、歯の再石灰化を促す栄養素であるカルシウムやリンをとることをおすすめします。
🔵生活習慣の改善
・十分な睡眠や適度な運動をしましょう。
・ストレスをためないよう、リラックスできる時間を作りましょう。
免疫力を高め、血行を良くすることでお口の中の回復力が向上します😊✨
《まとめ》
今回は、妊婦さんに起こる様々なお口の中のトラブルについて解説しました。
妊娠中は治療方法も限られたり、体調もあるので、日頃からの予防がとても大切です!!
妊娠中に歯の痛みが出た場合は早めにご相談下さい。
別府市では、妊娠中に1回歯科検診を無料で受けることができます。
まずはお口の中の状態を知っていただき、その後治療が必要であればお母さんの無理のない範囲、ペースで進めていくことをおすすめさせていただきます。歯科医師や歯科衛生士にお気軽にご相談ください😊!!